DON'CRY(ドンクライ)

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「ジャンプ女子」なら腐女子かビッチは大間違い。「キルラキル」が疎外感から救ってくれた

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(出典:amazon / ©集英社アニプレックス

はじめまして。エターナルフォースブリザードますみちゃん@tytmsmです。
早速ですが、みなさんにちょっと考えてみてほしいことがあります。

あなたにとっての「王道」ってなんですか?

私は週刊少年ジャンプが好きです。
小六のとき、通っていたそろばん塾にずらっと並んでいたジャンプをみて、はじめてそのページを開きました。

友情・努力・勝利」の名の下に、どんどん強い相手に立ち向かっていく主人公。失敗や葛藤を重ねながらどんどん大きくなっていくその背中に、ナルトにセナに、私のハートはひたすら熱くなってました。鼻水も涙もぐちゃぐちゃになりながら、傷だらけでもひたすら前を向くまっすぐな少年…いいなあ…私も強くなりたい…。

ジャンプ少年」、なんて普通の響き。「王道=ジャンプ」に共感する人はきっといっぱいいて、どんな場所で話題にしてもきっと盛りあがる。

でも、ジャンプ少年になりたくてもなれなかったのが、この私です。

ジャンプを愛する腐女子コミュニティには馴染めず、ジャンプ好きの男子とは距離感が掴めず、「思わせぶりビッチ」と名指される被害妄想。

だけど、そうやって疎外感や孤独感で封印されていった私の熱い気持ちを、ある日突然救ってくれたのが、トリガーのアニメ『キルラキル』だったのです。

 

「ジャンプ女子=腐女子」は大間違い

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(出典:amazon / ©集英社

中学時代。なんとなくジャンプを読んでそうな人と『銀魂』とか『家庭教師ヒットマンREBORN!』の話題で仲良くなって、友達もできました。

そのうち遊びに誘われ、今度「良いところ」に連れてってもらう約束をしたんです。
これが私のアニメイトデビュー。グッズの多さ、天井までぎゅうぎゅうに押し込まれたコミックやDVDボックスの棚に、まるで未知の世界に飛び込んだような興奮を覚えました。

ジャンプオタクとして一歩踏み出そうとしたこの日、しかしすぐに私の目の前に広がっていた王道は、崩れて落ちてしまったのです。

一旦お店を出ると、カフェに移って「戦利品」の見せ合いっこタイムに突入しました。ここではじめて気づく、私だけなんか違う温度感。

ゲットしたカカシ先生のポストカードと、ディーノのハンドタオルが入った青いビニール袋をを両手でぎゅっと握りしめながら、みんなの話を聞いていました。「銀土と土銀はどっちが王道か」を、ひたすら脳内で咀嚼しながら。「受け攻め」「やおい」の意味を頭の中で必死に噛み砕こうとして、共鳴しようとして…。

でも結局、腑に落ちることはありませんでした

私は週刊少年ジャンプが好きだ。でも、腐女子というコミュニティからの目線では楽しめそうになかった。

一度、同人誌を買ったことがあります。『銀魂』の桂と高杉のカップリングで、冊子を自宅で開いた時、作者の方に心から申し訳ないのだけれど、かぁーっと脳天が熱くなって、ハサミで細かく刻んでしまいました。

決して「腐女子」に違和感を覚えているわけではありませんでした。会話も楽しかった。実際に絵や物語を作ってホームページでアップしているのも尊敬していました。毎日欠かさずホームページを見に行って、キリ番踏んで好きなキャラクターのイラストを描いてもらって…。

でも、一方で「自分の居場所じゃない」感を静かに募らせていたんです。

オタク仲間と私の間にあるのは「ジャンプを嗜む」方向性の違い。これが私の答えでした。こうして、自然と彼女たちとの関係はだんだん薄れていきました。

 

恋愛が呼ぶ友情崩壊と「ビッチ」スティグマ

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たまに、男の子と話をすることもありました。でも、これはこれで簡単なことではありません。

熱い気持ちを語りたくても、照れ臭くて共有の仕方がよくわからない。それに、男の子と2人で盛り上がってると、学校中で関係を疑われるのが思春期。気づけば相手もその気になっていたりして、憧れの熱い友情関係は突如かき乱される

ある日、男友達からいつものふざけた文面ではなく「そういうこと」と添えられて、リンクが貼られたメールを受信しました。リンクに飛ぶと、どうやら彼のブログで、私に対しての「そういう」思いが書かれていました。

「そういうこと」、つまり彼からすれば私は友達ではないということ。その時私の頭では「友達」「恋愛」「男女」いろんな単語がまぜこぜになって混乱しました。ばつの悪さや距離感を誤った申し訳なさ、時間を元に戻したい、彼のプライドを傷付けるに違いない…そして利己的かもしれないけれど、「熱い友情」という幻が崩れる音が、大きくこだまする。自分がどう返事したかはもう覚えていません。でも、彼とのやりとりはその後ありませんでした。

人間関係が危うくなると、どう接していいのかわからなくなって、結局日常会話すらできなくなる。こんなことが何人も続けば、私のイメージは一気に「思わせぶりのビッチ女」待ったなしです。

 

ジャンプは女子を阻害する

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(出典:amazon / ©集英社

そもそも中学生の男子から女子相手に惜しげもなく熱い気持ちを語ってくれることはまず、ありません。週刊少年ジャンプの主人公になりたくても、せめて主人公の隣にいる親友になりたくても、結局私という存在では無理だったんです。

そうか、ジャンプって結局、主人公男子だもんなあ。そもそも女子が感情移入するためのものじゃないんだ。

マウンドに例えるなら、ピッチャーは男子だし、彼の熱いボールを受け止めるキャッチャーや外野を守るチームメイトも男子。女子がこの世界を共有するには、チームから離れた二次創作という観客席しかないのかもしれない。

ヒロインでない限り、ベンチにも入れない。でもヒロインは私にとっては「他者」だ。私はヒロインになりたくてジャンプが好きなわけじゃない。主人公や、彼と肩を並べる仲間たちになりたかった。

噂や下馬評に人一倍敏感だった私は、チキンレースみたいな異性との距離感や「男子とやたらいつも盛り上がってる奴」というビッチなレッテルへの過度な恐怖から、ジャンプ好きなことを一切公言しなくなりました。「黒歴史」としてジャンプ少年への憧れを葬ったんです。


王道を女子目線で作り上げたキルラキルに救われる

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(出典:amazon / ©アニプレックス

熱い心にしっかり封をして、封をしたことすら忘れていた私ですが、大学3年生のとき「長く眠っていた少年の心」を揺さぶる運命の出会いが待っていました。

それが、トリガーのアニメ作品『キルラキル』。

主人公・纏 流子(まとい りゅうこ / 画像左)を待ち構えるのは強敵、強敵、さらに強敵。学校トップの権力を誇る生徒会長、鬼龍院 皐月(きりゅういん さつき / 画像右)を倒して父の死の真相を知るべく、ひたすら戦い続ける彼女にともいえない熱さを覚える。あ、この感覚なんか知ってる。心がどんどん熱くなる。

そもそも「戦う少女」って、それはそれで王道ジャンルのひとつですよね。例えば『セーラームーン』は女の子のバイブル代表。でも、なんでだか当時から私はのめり込めなかったんです(唯一好きだったのは『キューティーハニー』)。

でも、その理由が今ならわかります。

纏流子は、ピンチでも謎のハンサムな男が現れてあっさり救われたりしない。敵にぶん殴られたら怪我するし、自分より強いヤツには蹴散らされたりもする。

それでも垂れる血を拭って立ち上がって、気力と体力と根性で勝ち抜いていく。パズルのピースが少しずつ埋められていくように女子キャラが「これが私の憧れだった」な展開を繰り広げてくれる。

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(出典:amazon / ©アニプレックス

心を通じ合わせている生きた制服「鮮血」で戦闘モードに変身するとき、地肌むき出しの格好に恥ずかしがって着こなせず、パワーを発揮できない流子。

でも、鮮血を「自分のもの」として受け入れた時、彼女は最大限の力を見せつける。
そうか。私も中学時代、自分の心がむき出しになっていることを恥ずかしがらなければよかったのか。

エリートの鬼龍院皐月は、私にとって永遠のライバル像。常に意識し合っている関係って、とても憧れます。うおー、いい。私も「絶対にお前に負けたくない」ってなりたい。

そして、なんといっても親友・満艦飾 マコ(まんかんしょく まこ)の存在は、とても大きなものです。

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(出典:amazon / ©アニプレックス

流子がピンチに陥ったり、発狂するほど葛藤しているとき、真正面から本音をぶちまけてくれる彼女。

ジャンプならマコはヒロインかもしれないけど、流子にさらっと「デートのお誘い」をするところとか、逆にリアルな親友っぽくていい

2人の関係に憧れにも嫉妬にも近い、なんともいえない鮮やかな感覚を覚えました。こんな風に腹を割って「ジャンプ少年になりたい」と口にできる人がいたら…。というか、誰かに打ち明ける強さが自分にあったら…。

そう、『キルラキル』は、女の子が大事な親友とともに、仲間たちを少しずつ増やしていきながら「友情・努力・勝利」の展開を突き進む。まさにザ・王道の熱いストーリーを女子の目線でゼロから作り上げてくれた週刊少年ジャンプの世界以外にも、私はただまっすぐに熱くなれる場所があることを教えてもらいました。

あ、いいんだ。女子だけど、「流子みたいに強くなりたい」って思っていいんだ。この世界でまっすぐ熱くなっていいんだ。トリガーの『キルラキル』は、そんなことを気づかせてくれたんです。



ジャンプの「友情・努力・勝利」は、誰もが知る王道のテーマ。小学生のときに憧れた熱いジャンプ少年の心は、腐女子コミュニティとの方向性の違いから生まれた疎外感と、異性と腹を割って話せない羞恥心とで一度は眠りにつきました。

だけど、私の少年の心はまだまだ死んでなんかいませんでした。トリガーに心のトリガーを引かれて(これ何回でも言いたい)、熱い気持ちが蘇ったのだから。

私は『キルラキル』が好きだ、大好きだ。
この熱い世界をもう一度見せてくれたトリガーという存在は私にとって、とてもとても大きなものだ。

今は自分の好きなものを好きだという気持ちは恥ずかしくない。他人からどう思われても、いい。自分の信じる心を強さに変えていきたい。

そして、そんな今の自分を好きだと受け入れたいのです。もがきながらでも、強く、熱く自分とむきあう流子、あなたのように。

 

P.S:もしも私のように、トリガー作品が好きだったり、熱い漫画やアニメに猛烈に憧れている女性がいたら、ぜひDMください。お気に入りの激熱コンテンツがあったら教えてほしいです。

書いた人:エターナルフォースブリザードますみちゃん

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